- 胃潰瘍の治療法
胃潰瘍の手術
バリウム検査や内視鏡検査で潰瘍が見つかったら、がん細胞がないか直接組織をとって調べます。最近では、がん細胞がなければ手術をせず、ほとんどは胃酸を抑える薬と食事療法を含む生活指導で治療します。出血を起こしている場合にも効力を発揮する強力な薬がありますので、かつてのように入院や手術の必要な患者さんは減ってきています。しかし、胃に穴があいてしまった場合は、手術が必要になります。
正しい治療は大事
胃潰瘍は、生活習慣を正しくし、ストレスから開放されれば、手術をしなくても薬だけで十分治ります。逆に、どんなに良い薬を飲み、上手な手術を受けても、暴飲暴食を繰り返し、たばこを手放さず、睡眠も十分に取らないといった悪い習慣を続ければ潰瘍は悪化します。胃潰瘍の治療の基本は、心身を安静にし、生活習慣、特に、食習慣を正すことが何より大切なのです。
一般的に、潰瘍患者は、生活環境と潰瘍の発生・再発に因果関係を認めることが少なくないため、因果関係の推測できるストレス因子があればその除去を行います。
胃潰瘍の食事療法
現在における食事療法は、胃酸の攻撃をおさえて胃壁を守ることにポイントをおいた食事法と、防御力を強くすることに主眼をおいた食事法を合わせたものが基本となっています。
また、酸分泌抑制薬の適切な内服下では、原則として食事制限は不要です。刺激物を控える程度で良いでしょう。
(食事時間は毎日規則正しく)
毎日の食事時間はきちんと決めて規則正しくとりましょう。時間がないからといって朝食を抜いたり、慌ててかき込んだりしないようにしましょう。
(空腹の状態を続けない)
食事が取れないために、空腹のままで長い時間いることは良くありません。空腹を続けると胃酸によって胃の壁が消化され、潰瘍はますます悪化するのです。食事が取れなかったら、とりあえず牛乳を1本飲みましょう。牛乳には胃酸を中和させる働きがあり、エネルギーも結構取れるうってつけの食品です。
(腹六分目を守る)
空腹とは反対におなかが一杯で苦しくなるほど食べるのは胃に負担が掛かるので良くありません。1回に食べる量を少なくし、腹6分目から8分目ぐらいにしましょう。その代り間食を取って、量の不足をカバーすると良いでしょう。勿論、その場合でも、間食の時間は規則正しくしましょう。
(食後1時間は休む)
食後は食休みをとるようにしましょう。少なくとも30分、できれば1時間位はとりたいものです。仕事をしながら食事をしたりするのは一番良くないことです。それでは胃の消化作業は思うようには進みません。
嗜好習慣の見直し
(アルコール)
強い酒は胃液の分泌を抑制するなど胃の働きを低下させ、強い酒は胃の粘膜を直接破壊します。
(喫煙)
ニコチンは血管を収縮させ、胃粘膜の血の巡りに障害をおこし、潰瘍を起こしたり潰瘍の治りを遅くします。また、ニコチンは胃液の分泌を促進させてしますので禁煙した方が良いでしょう。
(コーヒー)
カフェインは胃を刺激し、胃液の分泌を促進する働きがありので、濃いコーヒーは潰瘍には良くないと言われています。現に胃潰瘍を患っている人は、少量のカフェインと言えども安心できません。飲まないで済ますことができれば、それに越したことはないでしょう。
どうしても飲みたいと言う人は、できるだけ薄いコーヒーにする、空腹時を避ける、何杯も飲まない、ミルクを入れることなどを念頭において下さい。
薬剤の服用を慎重に
消炎鎮痛薬では胃潰瘍を引き起こす可能性がありますが、そのほかにも副腎皮質ホルモン、糖尿病薬、抗生物質、降圧薬など多くの薬剤が潰瘍の発生と難治化に関係しうると考えられます。
しかし、一般的には酸分泌抑制薬が適切に内服されておれば処方を神経質に回避する必要はありません。これら薬剤は基礎疾患に対し継続投与の必要なことが多く、潰瘍との関連性が強い場合には、より胃粘膜障害の少ない薬剤への変更、酸分泌抑制薬の増量または制酸薬、粘膜被覆薬との併用を試みます。ただ消炎鎮痛薬では坐薬でも胃粘膜障害を引き起こす例があることを知っておくべきです。
胃潰瘍の薬物療法
H2(エッチツウ)プロッカーと言う酸分泌抑制薬が胃潰瘍に使われだして、胃潰瘍の薬物療法は全く変わりました。潰瘍の治癒率もあがり、胃潰瘍で胃の手術を受けることはほとんどなくなりました。H2プロッカーには、最初のタガメットに始まり、ガスター、ザンタック、アルタット等の多くの薬剤が開発されています。また、最近ではPPIというH2プロッカーよりもっと制酸機能の強い薬剤も発売され早くかつ高い治癒率をもたらしています。
維持療法胃潰瘍に対し防御因子強化薬を初期治療から併用すると質の高い潰瘍治癒が得られ再発の抑制につながるという成績があります。また治癒後の維持療法に用いると再発抑止に有用だと言われています。
ピロリ菌感染が原因の場合は、医師の処方に従った薬剤の服用により除菌を行うことが可能です。


