- 胃潰瘍の合併症
出血(出血性胃潰瘍)
胃壁の障害部位に血管があると破綻(露出血管)し出血を起こします。大量に出血した場合は、頻脈、冷汗、血圧低下、気分不快、吐血、下血などの症状が出現します。また、ショック症状を起こすことがあります。
この場合も、すみやかに露出血管に対しては止血処置が必要であり、現在では内視鏡的止血術が行われています。内視鏡を使って潰瘍部分の周囲にアルコールなどを注入すると、出血を止めることができます。内視鏡的止血術には高周波焼灼術、ヒータープローブ法、エタノール局注法、クリップ法等があり、その止血成功率は95%以上です。
ただし、出血性胃潰瘍の場合、再出血の危険があること、数日間食事ができないことから入院加療を要します。また、大量出血の場合は輸血や外科的手術が必要となることもあります。
穿孔
胃潰瘍でも十二指腸潰瘍でも、潰瘍が深くなると、胃壁や腸壁を突き破り穴が開き「穿孔」(せんこう)という状態になります。こうなると、食べ物が胃や腸の外(腹腔)に流れ出て、急性腹膜炎を起こします。腹部全体に痛みが広がり、筋肉が緊張しておなかを外からさわると、板のように硬くなります。持続性の非常に強い腹痛、圧痛、反跳痛、筋性防御、発熱などが起こります。
急性腹膜炎になるとショック症状を起こすこともあります。顔面蒼白になり、冷や汗が流れ、血圧が低下し呼吸困難や意識障害に陥ります。この場合は、数時間以内に穴を塞ぐ外科的手術が必要となります。
幽門狭窄(ゆうもんきょうさく)
幽門(胃の出口付近)部分に何度も潰瘍を起こすと、食べ物の通り道が狭くなって(狭窄)、吐き気、嘔吐、もたれ、上腹部の膨満感などの症状が出ます。食べ物がうまく通過できなくなるため、胃に食べ物が溜まり胃拡張になることもあります。子どもが十二指腸潰瘍になると、幽門狭窄を起こしやすいので注意が必要です。


